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過去最高のAI決算を疑う:利益を動かす『減価償却の前提』

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AI関連の決算が出るたび、見出しは「過去最高」の連続だ。エヌビディアが2026年4月26日に締めた四半期は売上高816億ドル、データセンター部門だけで752億ドル(前年比92%増)。マイクロソフト、アマゾン、アルファベット、メタの4社が2026年に投じる設備投資は合計で7000億ドル規模とも見積もられる。数字そのものは事実だ。問題は、その数字が「利益」に変わる過程に、読み手の注意を要する一手が挟まることにある。

設備投資は、すぐには費用にならない

データセンターやGPUへの支出は、買った瞬間に全額が費用計上されるわけではない。「何年使うか(耐用年数)」を見積もり、その年数で割って少しずつ減価償却費として落としていく。耐用年数を長くとれば1年あたりの費用は小さくなり、同じ売上でも利益は大きく見える。逆に短くとれば利益は圧縮される。つまり報告される利益の一部は、機械の寿命をどう仮定するかという「前提」次第で動く。ここが、見出しの売上と利益の質を分けて読むべき理由だ。

各社は寿命を伸ばし、利益を底上げしてきた

実際、ハイテク各社はこの前提を長くする方向へ動いてきた。マイクロソフトは2022年にサーバー類の耐用年数を4年から6年へ延長。アルファベットも6年へ延ばし、2023年度の償却費を約34億ドル圧縮したと開示している。メタは一部資産を5.5年に延ばし、2025年の償却費を約29億ドル(同年の税引前利益の4%近くに相当)減らす見込みだという。逆の動きもある。アマゾンは2025年初め、AIの進化速度の速さを理由に、一部サーバーの寿命を6年から5年へ「短縮」した。同じ業界で前提が逆向きに動いている点は示唆的だ。

「実態の寿命」を疑う声と、読み手の備え

マイケル・バーリー氏らは、世代交代の速いGPUの実際の経済寿命は2〜3年に近く、4〜6年で償却するのは利益の過大計上だと批判する。ある試算では、2026〜28年で業界全体の利益が累計1760億ドル過大に出ている可能性があるという(あくまで推計だ)。加えて、エヌビディアからの巨額出資が報じられたOpenAIを軸に、半導体・クラウド各社が資金を循環させる取引も、需要が本物かどうかを見えにくくする。読み手にできる切り分けは単純だ。純利益だけでなく営業フリーキャッシュフローを見る、決算の注記で耐用年数の変更がないか確認する、そして設備投資の増加に見合って営業利益率が実際に広がっているかを問う。見出しの数字は本物でも、利益の数字には前提が同梱されている、と覚えておきたい。

参考

  • NVIDIA Q1 FY2027 Press Release(SEC EDGAR 8-K)

  • Meta Accounting Move on AI Servers to Boost Profit This Year(Yahoo Finance)

  • Google increases server life to six years, will save billions of dollars(Data Center Dynamics)

  • Deep Quarry: Useful Lives of GPUs — Key Considerations(National Law Review)

  • The $100 Billion ‘Stall’ Exposing AI’s Circular Economy(Tech-ish)

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