好きなもの

「高圧ほど速い」は嘘——自転車タイヤ空気圧の決め方

イメージ画像

ロードバイクのタイヤは「パンパンに入れるほど速い」と長く信じられてきた。実験室の滑らかなドラム上では、それは正しい。だが実際の路面では、ある圧力を超えると逆に遅くなる。

高圧が裏目に出る「ブレークポイント」

タイヤの転がり抵抗は、ゴムが変形して元に戻るときのロスで生まれる。空気圧を上げるとタイヤの変形が減り、滑らかな床ではロスも減る——ここまでは直感どおりだ。

問題は路面の凹凸である。圧が高すぎるタイヤは小さな段差を吸収できず、代わりに車体とライダー全体を細かく揺らす。この振動が運動エネルギーを奪う(インピーダンス損失)。だから、ある圧力(ブレークポイント)を超えると、転がり抵抗はむしろ増えていく。荒れた路面ほど、この折り返しは低い圧力で訪れる。低めの圧は乗り心地とグリップの面でも有利だ。

適正圧の決め方

最適値は主に三つで決まる。

  • タイヤの太さ:太いほど低圧でよい。同じ荷重を支える接地面を, 太いタイヤは低い圧で作れる。

  • 車体+体重の合計:重いほど高め。前後で荷重が違うので、後輪はやや高く、前輪は低めにできる。

  • 路面:荒れているほど低めが速く、快適でもある。

目安として「タイヤのたわみ量が15%前後」になる圧力が一つの基準になる。タイヤ側面に刻印された下限・上限は必ず守ること。

試して詰める

数字を信じ込まず、現物で詰めるのが確実だ。

  1. まず想定より少し低めから始める。

  2. ゴツゴツ感が出る、またはコーナーでタイヤがよれると感じたら上げる。

  3. ちょうど良い手前まで下げ、その値と路面・気温をメモする。

チューブレスなら、リム打ちパンクの不安が減るぶん、より低圧を攻められる。「とりあえず最大圧」をやめるだけで、速さと快適さの両方が手に入ることは多い。

お役立ち情報

甲斐 亮太の他の記事

タグ一覧