六本木・21_21 DESIGN SIGHT:安藤忠雄のコンクリート建築と実験的なデザイン展に触れるクリエイティブな休日
東京・六本木の東京ミッドタウンの北側に位置する「桧町公園」に隣接した緑地に、ひっそりと、しかし強い存在感を放って佇む建築があります。それが、デザインの視点から日常のさまざまな出来事や物事を提案する発信拠点21_21 DESIGN SIGHTです。
日常をより豊かにし、新しい視点を提供するこのデザインミュージアムは、展示内容のユニークさはもちろん、世界的建築家である安藤忠雄氏が設計したコンクリート建造物としても知られています。今回は、カルチャーライターの視点から、この建築の魅力と実験的デザイン展の楽しみ方を詳しくご紹介します。
安藤忠雄が描いた「一枚の布」:建築としての見どころ
21_21 DESIGN SIGHTに到着してまず目を奪われるのが、地面に向けて大きく傾斜した巨大な鉄板の屋根です。この特徴的なシルエットは、日本を代表するファッションデザイナーである三宅一生氏の服づくりのコンセプト「一枚の布(A Piece of Cloth)」に着想を得て設計されました。
安藤忠雄氏は、このコンセプトを建築の意匠へと昇華させ、厚さわずか16ミリメートルの鋼板を折り曲げたような「一枚の鉄板」による彫刻的な屋根をつくり上げました。
地上からは平屋建てのコンパクトな建築に見えますが、建物の容積の約7割は地下に埋め込まれています。一歩中へ足を踏み入れると、外観からは想像もつかないほどの開放的な地下空間が広がっています。
安藤建築の代名詞とも言える美しい「コンクリート打ち放し」の壁面や、地下でありながら自然光が優しく差し込むサンクンガーデン(掘り下げられた庭)など、光と影のコントラストが空間全体をドラマチックに演出しています。細部にわたる職人技と幾何学的な美しさは、建物そのものが一つの巨大なアートワークと言えるでしょう。
日常を再発見する「実験的なデザイン展」
21_21 DESIGN SIGHTが一般的な美術館と異なるのは、いわゆる美術工芸品を鑑賞する場所ではなく、「デザイン」を通じて私たちの日常にある現象やモノを見つめ直す場所であるという点です。
本施設は、デザイナーの深澤直人氏、グラフィックデザイナーの佐藤卓氏、そしてアソシエイトディレクターの川上典李子氏らが中心となってプログラムを企画しています。
過去には「コメ展」「単位展」「チョコレート展」など、私たちの生活に密着したテーマをデザインの切り口から多角的に分析・紹介する企画展が開催され、大きな話題を呼びました。単に美しい完成品を展示するだけでなく、制作プロセスにある思考の実験や、来場者が実際に触れて体験できるインタラクティブなインスタレーションが多いことも特徴です。
訪れる人々は展示を通じて、「デザインとはこんなにも身近で、実験的で、ワクワクするものなのか」という新たな気づきを得ることができます。クリエイターだけでなく、子どもから大人まで直感的に楽しめるのがこのミュージアムの最大の魅力です。
六本木・赤坂エリアのアート散策ルート
21_21 DESIGN SIGHTがある東京ミッドタウン周辺は、都内でも有数のアートエリアです。歩いてすぐの場所には、国内最大級の展示スペースを誇る黒川紀章設計の国立新美術館や、六本木ヒルズの最上階に位置する森美術館があり、これらは「六本木アートトライアングル」と呼ばれています。
天気の良い休日には、21_21 DESIGN SIGHTを鑑賞した後、緑豊かな桧町公園を散策し、お気に入りのカフェで余韻に浸りながら次の美術館へ向かう、といったクリエイティブな散歩コースがおすすめです。周囲の洗練されたショップや庭園の緑が、アート体験をさらに上質なものにしてくれます。
お役立ち情報
- 施設名: 21_21 DESIGN SIGHT(トゥーワン・トゥーワン・デザイン・サイト)
- アクセス: 都営地下鉄大江戸線・東京メトロ日比谷線「六本木」駅、東京メトロ千代田線「乃木坂」駅より徒歩約5分。東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン内にあります。
- 開館時間: 10:00〜19:00(入場は18:30まで)
- 休館日: 火曜日、年末年始、展示替え期間(事前に公式サイトの開館カレンダーをご確認ください)
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