上野・東京都美術館!前川國男のモダニズム建築美と美術鑑賞ガイド
東京・上野恩賜公園の一角に佇む「東京都美術館」(都美:とび)。数々の世界的な大展覧会が開催されるアートの殿堂ですが、実はその建物自体が日本近代建築の歴史に残る傑作であることをご存知でしょうか。設計を手がけたのは、ル・コルビュジエの弟子であり、日本のモダニズム建築の先駆者である前川國男(まえかわくにお)です。今回はカルチャーライターの詩が、前川建築のディテールに隠された美しさと、美術館を存分に楽しむための鑑賞ガイドをお届けします。
1. 建築家・前川國男が込めた「公園と一体化する」美術館デザイン
1975年に竣工した現在の東京都美術館は、上野恩賜公園の自然景観を壊さないように、建物の大部分が地下に埋め込まれるように設計されています。
① 「打ち込みタイル」の赤いレンガ壁とコンクリートの調和
建物の外壁を特徴づけているのは、温かみのある深みのある赤い「打ち込みタイル」です。これはプレキャストコンクリート板に直接タイルを敷き詰めて一体化させた前川ならではの技法で、経年変化によってさらに味わいを増しています。打ち放しコンクリートの力強い質感と、タイルの繊細な手触りが美しい対比を見せています。
② エスプラナード(広場)と地下への導入路
中央の広場(エスプラナード)からゆるやかなスロープを通って、地下のロビー階へと自然に導かれるアプローチ設計が秀逸です。視線が空から地下へと移り変わるなかで、日常から非日常のアート空間へと頭が切り替わる感覚を体験できます。
2. 詩がおすすめする!都美の「建築ビューポイント」
展示室を巡るだけでなく、ぜひ以下のスポットに足を運んで、建築の美しさを直接味わってみてください。
- 中央棟のロビーと大きなガラス窓 光がたっぷり差し込むロビーからは、窓越しに上野公園の樹木や彫刻スタンドを見渡すことができます。内と外の境界線が溶け合うような開放感が魅力です。
- コンクリートの螺旋階段と手すりのカーブ 彫刻的な美しさを持つコンクリートの階段。前川建築に特有のディテールへのこだわりが、手すりのなめらかな木製カバーや階段の美しい曲線に現れています。
- 前川カラー「朱色」のアクセント エレベーターホールや館内の随所に配置された、鮮やかな朱色(コッパーレッド)の壁面やドア。コンクリートのモノトーンの空間に華やかさを添える、象徴的なアクセントカラーです。
3. アート鑑賞をもっと快適にするヒント
東京都美術館は、特別展のほかにも公募展など複数の展示が同時に開催されています。
館内は非常に広いため、動きやすい靴で訪れるのが鉄則です。また、特別展を鑑賞した後は、館内のレストラン「ミューズ(RESTAURANT MUSE)」や「サロン・ド・テ(Café & Rotisserie TUSK)」で、前川建築の窓外の緑を眺めながらカフェタイムを過ごすのがおすすめのコース。
混雑を避けるためには、平日の午後遅めの時間帯を狙うか、オンラインでの事前日時指定チケットをスマートに活用しましょう。
お役立ち情報
- 東京都美術館 公式ウェブサイト 展覧会のスケジュール、開館時間、観覧料、アクセス情報のほか、前川國男の建築に関する詳細な解説ページも閲覧できます。
- 公益財団法人 東京都歴史文化財団 東京都美術館をはじめ、都内の主要な美術館・博物館の文化イベント情報や、共通前売券・会員制度について掲載している公式ウェブサイトです。
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