黄色の街並みに灯るランタン:世界遺産・ホイアンの魅力と日本橋の完全修復ガイド
ベトナム中部に位置するホイアン(Hội An)は、15世紀から19世紀にかけてアジアとヨーロッパを結ぶ主要な国際貿易港として繁栄した古い港町です。1999年にはユネスコ世界文化遺産に登録され、ノスタルジックな黄色い壁の街並みと、夜になると街中を彩る色鮮やかなランタンが、世界中の旅行者を魅了し続けています。ホイアンの最大の見どころであり、約1年半にわたる大規模な修復工事を終えて2024年8月に再び姿を現したシンボル「日本橋(来遠橋)」の最新情報とともに、この街の魅力を詳しく紹介します。
歳月を越えて蘇ったホイアンのシンボル「日本橋(来遠橋)」
ホイアン旧市街の象徴である「日本橋(正式名称:来遠橋 / Chùa Cầu)」は、1590年代にこの地に居住していた日本人商人たちによって架けられたと伝えられる屋根付きの木造橋です。橋の中央には航海の安全を祈願する小さな寺院が祀られており、長年にわたりベトナム、日本、中国の文化が融合した独自の歴史的建造物として愛されてきました。
近年は老朽化による構造的なダメージやシロアリ被害が進んでいましたが、歴史的景観を守るために2022年12月末から約20年ぶりとなる大規模な解体修復工事が行われました。19ヶ月におよぶ丁寧な修復を経て、2024年8月3日に正式に一般公開が再開されました。
修復によって基礎部分や橋脚が強化され、木材の防腐処理や電気配線のリニューアルが施されました。一部では「以前よりも新しく見えすぎる」という声もありましたが、伝統的な技法を用いて元の木材を可能な限り再利用し、歴史的価値を損なわずに未来へ引き継ぐ形での保存が実現しました。現在は以前と同様に、美しい屋根の下を通り抜けて対岸へと渡ることができます。
ノスタルジー漂う古い街並みとランタンの魅力
ホイアンの魅力は、ただ古い建物が並んでいるだけではない点にあります。かつて様々な国からの商人が行き交った影響で、中国風の会館や日本の要素を取り入れた古民家、フランス植民地時代の洋館が黄色い漆喰壁の街並みに美しく溶け合っています。
昼間はブーゲンビリアのピンクの花が黄色い壁に映える静かな街歩きを楽しめますが、ホイアンの本領が発揮されるのは夕暮れ以降です。日が沈むと街中の街灯が消え、無数のシルク製ランタンに明かりが灯ります。
特にトゥボン川沿いでは、手漕ぎボートに乗って川面に灯篭(キャンドルランタン)を流すアクティビティが人気を集めており、水面に反射する無数の光が幻想的な夜を演出します。毎月旧暦の14日には「ランタン祭り」が開催され、人工的な照明を落とした旧市街に伝統的な明かりだけが揺らめく、より一層ノスタルジックな光景に出会うことができます。
ホイアンで味わうべき独自の美食カルチャー
かつて多くの商人が定住したホイアンには、ベトナムの他地域とは一線を画す独自の食文化が息づいています。なかでも以下の名物料理は外せません。
- カオラウ(Cao Lầu): ホイアンを代表する汁なしの米粉麺です。日本の伊勢うどんがルーツという説もあり、太くコシのある麺に、甘辛い醤油ベースのタレ、チャーシュー、ハーブ、と揚げた麺の皮をトッピングして混ぜて食べます。独特の歯ごたえがある麺は、ホイアンにある特定の古井戸の水を使わないと作れないとされています。
- ホワイトローズ(Bánh bao bánh vạc): 米粉の皮でエビや豚肉の餡を包んで蒸し上げた、まるで白いバラのような形をした餃子です。モチモチとした食感とフライドシャロットの香ばしさ、甘酸っぱいタレ(ヌクマムベース)が絶妙にマッチします。
- ホイアン風チキンライス(Cơm Gà Hội An): 鶏の出汁とターメリックで炊き上げた黄金色のライスに、細かく裂いたチキンとハーブ、玉ねぎを乗せた料理です。あっさりとしつつも鶏の旨味が凝縮されています。
お役立ち情報
- ベトナム政府観光局(VNAT)公式サイト(日本語) ベトナム旅行全体の公式ポータル。ホイアンをはじめとする各エリアの入国要件、最新の観光トレンド、アクティビティ情報が日本語でまとめられています。
- ユネスコ(UNESCO)世界遺産センター公式サイト:ホイアン(英語) ホイアン旧市街が世界遺産に登録された理由や歴史的景観、保存状況に関する国際的な評価とオフィシャルレポートを閲覧できます。
- ベストシーズンと服装: ホイアンの観光ベストシーズンは、乾季にあたる2月から8月です。特に2月から4月は比較的涼しく快適に過ごせます。日中は非常に暑くなるため帽子や日焼け止めが必須ですが、夜のトゥボン川周辺は風が吹くと涼しくなるため、薄手の羽織るものが1枚あると便利です。
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