夏の京都・宇治田原で『風鈴まつり』とハートの窓に癒やされる。正寿院の涼を巡る旅ガイド
京都の宇治茶 of ふるさととして知られる山間の町、宇治田原町。ここに、夏になると涼やかな音色で包まれる「風鈴の寺」があります。高野山真言宗の古刹『正寿院(しょうじゅいん)』です。京都市内の蒸し暑さから離れ、標高が少し高く爽やかな風が吹き抜けるこの地では、毎年夏に「風鈴まつり」が開催され、境内を彩る約2,000個もの風鈴が出迎えてくれます。さらに、客殿にある愛らしいハート型の「猪目窓(いのめまど)」や、天井に描かれた色鮮やかな天井画など、訪れる人の心を優しく癒やす見どころが満載のスポットです。
『風鈴寺』正寿院:2,000個の風鈴が奏でる夏の音色
正寿院が「風鈴寺」と呼ばれる理由は、毎年6月1日から9月18日まで開催される「風鈴まつり」にあります。暑い日本の夏を五感の「耳」で涼しく感じてもらおうと始まったこの祭りでは、境内の至る所に色とりどりの風鈴が吊るされます。
風鈴は、江戸風鈴をはじめ、全国各地のご当地風鈴が並び、ガラスの透明な音、金属の余韻のある音など、風が吹くたびに異なる音色が共鳴します。風鈴には季節の花や金魚などの可愛い絵付けが施されており、目で見ても楽しめる工夫が凝らされています。本堂でお参りをした後は、心地よい風の音と風鈴の音色にただ耳を傾ける、贅沢な時間を過ごしてみてください。
客殿『則天の間』:災いを除ける猪目窓と160枚の華麗な天井画
正寿院のもう一つのシンボルとなっているのが、客殿「則天の間」にあるハート型の「猪目窓(いのめまど)」です。一見すると現代的なデザインに見えますが、「猪目(いのめ)」とは日本古来から伝わる建築意匠で、猪の目に似ていることから名付けられました。古くから神社仏閣の装飾に用いられ、魔除けや福を招く意味が込められています。
この猪目窓から覗く外の景色は、四季折々でその表情を変えます。春は桜の薄ピンク、夏は青もみじの眩しい新緑、秋は紅葉の赤、冬は雪の白と、まるでハートの形に切り取られた絵画のようです。夏の期間は、窓から射し込む青々とした光が客殿の畳を照らし、見る人に瑞々しいエネルギーを与えてくれます。
さらに天井を見上げると、160枚もの色彩豊かな絵画が天井を埋め尽くす「天井画」が広がります。日本画の若手作家や多くのアーティストによって描かれたこの天井画には、花や日本の風景が描かれており、4隅には春夏秋冬の舞妓さんの絵が配置されています。畳の上に寝転んで天井画を鑑賞することも許可されており、時が経つのを忘れていつまでも眺めていられます。
宇治茶のふるさと・宇治田原へのアクセスと参拝のコツ
正寿院が佇む宇治田原町は、江戸時代に煎茶の製法を考案した永谷宗円の生家があるなど、高級な宇治茶のルーツとなった地域です。周囲には一面の茶畑が広がり、ドライブの道中も爽快な景色が楽しめます。
正寿院は山間部にあるため、訪れる際は事前のアクセス確認が必須です。
- 公共交通機関の場合: JR奈良線「宇治駅」または京阪宇治線「宇治駅」から京都京阪バス(維中前行きなど)に乗り、「維中前(いちゅうまえ)」で下車します。そこからコミュニティバスに乗り換えて「奥山田」で下車し、徒歩約10分です。※コミュニティバスは本数が非常に少ないため、あらかじめ時刻表の確認をするか、維中前からタクシー(約10分)を利用することをおすすめします。
- 車の場合: 新名神高速道路の「宇治田原IC」から約10分(現在は京滋バイパス「宇治東IC」または「石山IC」から約30分)。無料駐車場が完備されています。
また、参拝時には季節ごとにデザインが変わる「御朱印」もお忘れなく。夏限定の風鈴やひまわりが描かれた華やかな御朱印は、旅の素晴らしい記念になります。
お役立ち情報
- 正寿院 公式サイト
正寿院の歴史や年中行事、風鈴まつりの詳細、最新の拝観時間や御朱印情報を確認できる公式サイトです。 - 宇治田原町 観光情報サイト
宇治田原町の役場が運営する公式の観光情報ページです。周辺の茶畑情報やアクセス情報が掲載されています。 - お茶の京都 宇治田原エリア
京都府南部「お茶の京都」エリアの観光情報を発信するポータルサイト。宇治茶の体験スポットなどが紹介されています。
出典: