三島由紀夫も描いた美しき仏塔:バンコク「ワット・アルン」の夕日と参拝ガイド
タイ・バンコクを代表する歴史的寺院であり、チャオプラヤー川のほとりにそびえ立つワット・アルン(別名:暁の寺)。日本の小説家・三島由紀夫の最後の長編小説『豊饒の海』の第三巻である『暁の寺』の舞台としても広く知られています。刻一刻と表情を変える夕暮れ時の大仏塔のシルエットは、息をのむほどの美しさです。今回は、アジア担当ライターの陶山蒼が、その魅力的な歴史から、最も美しく夕日を望める鑑賞スポット、現地を訪れる際のマナーまで徹底案内します。
三島由紀夫が描いた「暁の寺」:その美しき歴史と大仏塔
ワット・アルンはアユタヤ王朝から続く由緒ある寺院ですが、現在の姿の基礎ができたのはトンブリー王朝期です。ビルマとの戦いに勝利したタークシン王が、夜明け(アルン)にこの地にたどり着いたことから名付けられました。
寺院の中心に位置する大仏塔(プラーン)は高さ約80メートルに達し、ヒンドゥー教の聖地である「須弥山(しゅみせん)」をかたどっています。塔の表面に近づいて見ると、カラフルな磁器の破片やガラスがモザイク状に散りばめられているのが分かります。これらは、当時中国との貿易で運ばれた陶磁器の破片を再利用して作られたもので、陽の光を浴びてキラキラと輝く様子は圧巻です。
夕日に映える大仏塔を眺めるおすすめ鑑賞ポイント
ワット・アルンは寺院の中から見上げるのも素晴らしいですが、その真骨頂は夕暮れ時にチャオプラヤー川の対岸から見るシルエットです。特におすすめの鑑賞スポットを2つ紹介します。
- 対岸のルーフトップバーやレストラン ワット・アルンのちょうど真向かい(ター・ティアン地区)には、川を挟んで寺院を正面に捉えることができるバーやレストランが並んでいます。「Ess Deck」や「The Deck by Arun Residence」などが有名です。西に傾く太陽が仏塔の真後ろに沈んでいく景色を、タイ料理やモックテルを片手に楽しめます。夕暮れ時は予約で埋まるため、数日前からの手配が必須です。
- 渡し船・チャオプラヤーツーリストボートの上から 川の上から刻々と変わる空の色と寺院を撮影するのも素晴らしい体験です。夕方に運行される観光用のボートに乗車すれば、遮るもののない川の真ん中から、夕日を浴びる大仏塔のドラマチックな写真を撮ることができます。
現地で慌てないための参拝マナーと実用ガイド
タイの寺院は神聖な信仰の場所です。参拝時には以下のルールを守りましょう。
- 露出の多い服装はNG タイの他の著名寺院と同様に、肩や膝が出る服装(ノースリーブ、ショートパンツ、ミニスカートなど)での入場は禁止されています。服装が不適切な場合は、入場口付近でサロン(タイ風の巻きスカート)を有料でレンタルする必要があります。
- 仏塔の階段を上る際の注意点 大仏塔の途中までは急な階段を上ることができます。幅が狭く大変滑りやすいため、歩き慣れたスニーカーで訪れることを強く推奨します。また、仏塔に刻まれた神々のレリーフには決して触れないよう注意してください。
- アクセス方法 対岸のワット・ポーからは、渡し船(片道約5バーツ)を利用して数分でアクセスできます。MRT(地下鉄)のサナームチャイ駅からも徒歩圏内です。
タイの信仰と歴史、そして現代のロマンティシズムが融合するワット・アルン。黄金に染まる空と暁の寺の美しき対比を、ぜひその目で確かめてみてください。
お役立ち情報
- タイ政府観光庁 ワット・アルン紹介ページ: Tourism Authority of Thailand - Wat Arun 日本語によるワット・アルンの公式な歴史背景や基本情報(入場料、アクセス)がまとまっています。
- チャオプラヤー・エクスプレス・ボート 公式サイト: Chao Phraya Express Boat バンコクの川の移動に欠かせないボートのルートマップや時刻表を検索できます。
- バンコク・メトロ(BEM)公式サイト: Bangkok Expressway and Metro ワット・アルンの最寄り駅であるサナームチャイ駅(Sanam Chai)を通る地下鉄(MRT)の運行情報・運賃を確認できます。
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