路地裏のウォールアートと多文化グルメ:世界遺産ジョージタウン(ペナン島)歩き方
東洋の真珠と称されるマレーシアのペナン島。その中心地であるジョージタウンは、18世紀後半からのイギリス植民地時代の歴史的な建物と、多様な移民文化が融合した独特の街並みが評価され、2008年にユネスコ世界文化遺産に登録されました。現在では、レトロな街並みに溶け込むユニークな「ウォールアート(針金細工や壁画)」と、中華・マレー・インドの食文化が混ざり合う「多文化グルメ」の聖地として、世界中の旅行者を惹きつけています。ノスタルジックな路地裏を歩きながら、アートと美食を満喫するジョージタウンの歩き方をご紹介します。
出典: Christina & Peter / Pexels
街に溶け込む「ストリートアート」を探す宝探し
ジョージタウンの街歩きで欠かせないのが、建物の壁や路地の角に突如として現れるストリートアートです。
2012年の芸術祭を機に、リトアニア人アーティストのエルネスト・ザハレビッチ(Ernest Zacharevic)氏が描いた壁画が大きな話題を呼び、街全体にアートが広がるきっかけとなりました。特に有名な『自転車に乗る子供たち(Little Children on a Bicycle)』は、本物の古い自転車と壁画が立体的に組み合わさっており、写真を撮るための行列ができるほどの人気スポットです。
これらのアートは本物の乗り物や椅子など、現物のアセットと壁画を巧みに組み合わせているのが特徴です。また、植民地時代の歴史や街の小話をユーモラスな針金細工(アイアンアート)で表現したミニマルな作品も数十箇所に点在しています。
アート巡りを楽しむ際は、事前にマレーシア政府観光局などで配布されているストリートアートマップを手に入れるか、地図アプリにピンを立てて効率よく路地裏を巡りましょう。日中は日差しが強いため、午前中や夕方の涼しい時間帯に散策するのがおすすめです。
中華・マレー・インドが融合する「多文化グルメ」
ジョージタウンはマレーシア屈指の「美食の街」としても知られています。さまざまな文化が共存するこの街では、バラエティ豊かなローカルフードが安価で楽しめます。
伝統の中華・マレー融合「プラナカン料理」
15世紀後半からマレー半島に渡ってきた中華系移民と現地の女性が結ばれ、生まれた子孫たちを「プラナカン」と呼びます。彼らの家庭料理であるニョニャ料理は、中華の食材(豚肉など)とマレーのスパイスやココナッツミルクを融合させた、酸味と辛味が絶妙な味わいです。特に魚のすり身をハーブとスパイスで蒸した「オタオタ」や、ココナッツ風味の麺料理「ラクサ」は絶品です。
屋台街で味わう定番麺「チャークイティオ」
ペナン島を訪れたら絶対に外せないのが、幅広の米粉麺をエビや貝、モヤシ、ニラなどと超強火で一気に炒めるチャークイティオ(Char Kway Teow)です。香ばしい「鑊気(ウォックヘイ=鍋の香気)」をまとったペナンのチャークイティオは、マレーシアNo.1と評されることも多く、夜になるとあちこちの屋台街(ホーカーセンター)から食欲をそそる香りが漂ってきます。
スパイス香る南インドの恵み「ナシカンダール」
ジョージタウンの「リトルインディア」と呼ばれるエリアでは、スパイス香る本格的なカレーが味わえます。なかでも「ナシカンダール」は、ご飯の上にお好みの肉や野菜のおかずを乗せ、仕上げに数種類の異なるカレーソースをブレンドしてかけるペナン発祥のインド系ムスリム料理です。濃厚で奥深いスパイスのレイヤーがクセになります。
お役立ち情報
- ジョージタウンでの移動手段: 世界遺産エリアはコンパクトなので基本は徒歩で散策可能ですが、ペナン名物の三輪自転車タクシー「トライショー」に乗って、のんびりとアートを巡るのも風情があります(乗車前に必ず料金交渉をしてください)。また、スマートフォンの配車アプリ「Grab」も安価でつかまりやすく、非常に実用的です。
- 熱中症対策と服装: 年間を通じて高温多湿な熱帯気候です。帽子や日傘、こまめな水分補給は必須。また、寺院やモスクを訪れる際は、肩や膝が隠れる露出の少ない服装を心がけましょう(モスク等では入り口でガウンの無料貸出もあります)。
- 両替と支払い: 屋台(ホーカー)やローカルな食堂では現金支払いが主流です。クレジットカードやタッチ決済が使える中規模以上の店舗も増えていますが、常に数千円〜1万円相当のマレーシアリンギット(MYR)のキャッシュを持っておくと安心です。